Message 卒業生からのメッセージ

人生の起点

 創立100周年おめでとうございます。高校生活での経験はその後の人生に非常に大きな影響を与えます。恩師の廣藤先生に出会えなければ、今の私はなかったと思います。学園祭でのサモサ作りやバングラデシュへの寄付活動等を通じ、高校卒業後すぐに青年海外協力隊に参加し、井戸を掘りたい、先生のように世界に貢献できる人間になりたいという気持ちが高まりました。そんな私に、先生は「村に井戸を掘った後、隣の村はどうなるのか」という質問をされました。当時の私ができることは恐らくまだ非常に限られており、焦らず、さらに大きな視野でもって自身の可能性を最大限に生かす努力が、より大きな貢献につながることを教えて頂きました。家族に大学出身者がいない中、先生のお導きで関西学院大学へと進学することになります。その後、旧大阪市立大学で修士号と博士号を頂きました。発展途上国で働くという夢は叶いませんでしたが、博士号取得後すぐに、アメリカ・カンザス大学福祉学部・学科に移り、研究長を務めたあと、現在はインディアナ大学社会福祉学部・学科で、教授、研究担当副学部長として学生指導および研究をしています。 

 私の願いは、先生のように可能性の種をまき、若い世代のより大きな活躍と貢献をお手伝いすることです。他の素晴らしい卒業生のメッセージを今回拝読しながら、卒業生で本当に良かったなと思います。これからもますます志の高い学生さんが育ち巣立っていかれることを願っています。

1995年 特別進学クラス卒業
関西学院大学総合政策科学卒業、大阪市立大学生活科学研究科(修士・博士)
インディアナ大学社会福祉学部・学科 教授、研究担当副学部長
福井 貞亮