このたび、母校が創立100周年を迎えられたこと、心よりお祝い申し上げます。 私にとってこの学び舎は、知識だけでなく、多くの出会いや経験を与えてくれたかけがえのない場所です。
　私は現在、東レ株式会社で研究職の仕事をしています。京都学園には「いつかプロ! 今、本気!」というスローガンがあり、当時の私はあまり真面目に捉えていませんでしたが、学生時代に本気でやっていたからこそ、今プロとして研究の仕事ができていると思います。そんな私から、在学中の皆様がいつかプロになるために、伝えたいことが3つあります。
　まず、1つ目は「必要のない科目はない」ということです。国語を疎かにすると文章が読めない大人になります。科学を疎かにすると巷に溢れるエセ科学に騙されます。社会を疎かにすると教養がない人と思われます。勉強は受験のためだけではなく、自分の人生のためにするものです。
　2つ目は「先生の言ってることは本当のことが多い」です。当時、英語の勉強をするようにと先生に言われ、受験勉強のために言ってると思っていましたが、英語は必要でした。全部鵜呑みにする必要はありませんが聞いておいた方が得です。
　3つ目は「もっと勉強しておけばよかった」ということです。高校時代の友人も皆、口を揃えて言っています。会社の同僚も同じようなことを言います。後悔しないように今しっかりと勉強してください。
　また、勉強だけでなく、遊ぶことも重要です。
　勉強では知識、教養、思考力が身につき、遊びでは人間力、コミュニケーション能力が身につきます。いつかプロになるために、今本気で勉強して本気で遊んでください。

　最後になりましたが、これまで母校を支えてこられたすべての先生方、先輩方、そして地域の皆様に深く感謝申し上げます。次の100年も、変わらぬ情熱と誇りを胸に、さらなる発展を遂げられることを願っております。

2012年 特進ADVANCEDコース卒業
神戸大学 工学部応用化学科、
神戸大学大学院 工学研究科応用化学専攻
東レ株式会社 勤務
谷口 秀